タイの街角の看板を見て「くねくねした暗号だ…」と読むのを諦めた人、私だけではないはずです。でも安心してください。タイ文字は44の子音と母音の組み合わせでできた、れっきとした表音文字。仕組みさえ分かれば、ひらがなを覚えたときと同じ要領で読めるようになります。
44文字に見えて、実際に覚えるのは「30ちょい」
タイ文字の子音は公式には44字。この数字だけ見ると心が折れますが、実態はもう少し優しいです。まず ฃ と ฅ の2字は現代ではまったく使われません。さらに ฌ や ฬ のように、特定の単語くらいでしか見かけないレア文字も1割ほどあります。つまり、日常でよく使うのは実質30字ちょっと。「44字の暗記マラソン」ではなく「30字ちょいの短距離走」だと思うと、だいぶ気が楽になりませんか。
もうひとつの特徴が、全部の文字に「名前」がついていること。たとえば ก は「コー・カイ(鶏のコー)」、ม は「モー・マー(馬のモー)」。日本語で言う「朝日のア」のような目印つきで、タイの子どもたちもこの名前で覚えます。
| 文字 | 名前 | 音 |
|---|---|---|
| ก | コー・カイ(鶏) | K |
| จ | チョー・チャーン(皿) | C/J |
| ด | ドー・デック(子ども) | D |
| บ | ボー・バイマーイ(葉) | B |
| ม | モー・マー(馬) | M |
書き方のルールはひとつ「丸から書く」
タイ文字の多くには、小さな丸(ヘッドと呼びます)がついています。書き順のルールは驚くほどシンプルで、この丸から書き始めて、一筆でなぞっていくだけ。丸の巻き方が内向きか外向きかで別の文字になることもあるので(ถ と ภ など)、最初に丸を意識するクセをつけると似た文字の区別にも効きます。
タイのカフェで店員さんに名前をタイ文字で書いてもらったとき、丸からすらすら一筆で書くのを見て「あ、これ書き順あるんだ」と初めて気づきました。見よう見まねで書いたら「上手!」と褒められて、単純にうれしかったです。大人になってから文字を褒められる機会、なかなかないですからね。
挫折しない学習の順番:中子音9字から
44字を あいうえお順(タイ語辞書順)に頭から覚えるのは、実は遠回りです。タイ文字の子音は声調に関わる3つのクラス(中子音・高子音・低子音)に分かれていて、このクラス順に覚えると、あとで声調ルールを学ぶときにそのまま土台になります。
| ステップ | 覚えるもの | 字数 |
|---|---|---|
| 1 | 中子音(ก จ ด ต บ ป など) | 9字 |
| 2 | 高子音(ข ส ห など) | 11字 |
| 3 | 低子音(ม น ร ล など) | 24字 |
| 4 | 母音 | 21形 |
| 5 | 声調記号 | 4つ |
最初の中子音はたった9字。1日3字なら3日で終わります。低子音は24字と多めですが、ม น ร ล ว のような頻出組から手をつければOK。母音は子音の前後上下にくっつく点だけ最初は面食らいますが、短母音・長母音のペアで覚えると効率的です。声調記号は子音クラスとの組み合わせで意味が決まるので、最後で正解です。
文字は目で見るだけだとすぐ忘れます。丸から一筆、を体で覚えるには タイ文字なぞり書き練習 で実際に指を動かすのが一番の近道です。
まとめ
- タイ文字の子音は44字だが、日常でよく使うのは実質30字ちょっと
- 書き順は「丸(ヘッド)から一筆」。似た文字の区別にも効く
- 学習順は中子音9字→高子音→低子音→母音→声調記号がおすすめ
- 声調ルールの土台になるので、クラス順で覚えるのが結局いちばん近道