タイことば

タイ語の末子音とは?6つの音とカタカナで書けない理由

「カオマンガイ」と注文したのに、なんだか通じにくい——その原因、単語の最後の音にあるかもしれません。タイ語の単語の終わりには「末子音(まつしおん)」という、日本語にはない音が来ます。結論から言うと、末子音は -m・-n・-ng・-k・-t・-p の6種類しかなく、コツは「音を出す直前で止める」こと。この感覚さえつかめば、発音がぐっとタイ語らしくなります。

末子音とは? 日本語との決定的な違い

末子音とは、単語のいちばん最後に来る子音のことです。日本語の音は「か(ka)」「ま(ma)」のように、ほぼすべて母音で終わります。ところがタイ語には、子音で終わる単語がたくさんあるんです。

たとえば「ご飯」を意味する ข้าว(カーオ)は母音で終わりますが、「鶏肉のせご飯」でおなじみの ไก่(カイ/鶏)の前につく มัน(マン/脂)は、n の音で終わります。この「終わりの子音」が末子音です。

6種類は大きく2グループに分かれます。

  • 鼻に抜けるグループ: -m・-n・-ng(口や鼻に音を残して終わる)
  • 飲み込むグループ: -k・-t・-p(音を出す直前で止めて終わる)

鼻に抜ける3つ: -m・-n・-ng

日本語の「ン」は実は1種類ではありません。「さんま」の「ン」は唇を閉じた m、「さんた」の「ン」は舌が歯ぐきについた n、「さんか」の「ン」は舌の奥が持ち上がった ng。日本語では全部「ン」と書きますが、タイ語ではこの3つが別の音として区別されます

口の動きで確認してみましょう。

  • -m: 「マ」と言おうとして、唇を閉じたまま止める。「カオマンガイ」の「マン」の途中の音
  • -n: 「ナ」と言おうとして、舌先を上の歯ぐきにつけたまま止める
  • -ng: 「ンガ」と言おうとして、舌の奥をのどの近くに持ち上げたまま止める。鼻に響く「ん〜」の音

飲み込む3つ: -k・-t・-p は「言いかけてやめる」

ここが最大の難関です。-k・-t・-p は、破裂させない音。つまり「ク」「ト」「プ」と言いかけて、息が出る直前でピタッとやめるんです。

たとえば「車」の รถ(ロット)。カタカナだと「ロット」ですが、実際は「ロッ…」と言って、舌先を歯ぐきにつけたまま息を止めて終わり。「ト」とはっきり言ってしまうと、タイ語では母音が1個増えて別の単語のように聞こえてしまいます。

  • -k: 「ク」の口の形(舌の奥を上げる)を作って、息を出さずに止める
  • -t: 「ト」の口の形(舌先を歯ぐきに)を作って、息を出さずに止める
  • -p: 「プ」の口の形(唇を閉じる)を作って、息を出さずに止める

私は最初、「カップ(丁寧語の ครับ)」を日本語の「カップ」みたいに発音していて、タイの方に「プは言わなくていい、唇を閉じるだけ」と直されました。唇を閉じて終わるだけにしたら、一気に「それそれ!」と褒められたのを覚えています。

6つの末子音まとめ表

末子音例語(タイ文字)カタカナの限界コツ
-mมัน(マン/脂・芋)「ン」としか書けない唇を閉じたまま終わる
-nนอน(ノーン/寝る)「ン」としか書けない舌先を歯ぐきにつけて終わる
-ngกางเกง(ガーンゲーン/ズボン)「ン」としか書けない舌の奥を上げて鼻に響かせる
-kนก(ノック/鳥)「ック」だと言い過ぎ「ク」の形で息を止める
-tรถ(ロット/車)「ット」だと言い過ぎ「ト」の形で息を止める
-pครับ(クラップ/丁寧語)「ップ」だと言い過ぎ唇を閉じて終わり

表を見ると分かるとおり、-m・-n・-ng はカタカナだと全部「ン」、-k・-t・-p は「ッ+ク/ト/プ」と書くしかありません。カタカナで書けないのは、日本語に「子音だけで終わる」仕組みがないからです。だからこそ、文字だけで覚えず音声を聞くのが近道。タイ語単語帳なら単語ごとに音声を再生できるので、末子音の「止まる感じ」を耳で確かめられます。

まとめ

  • 末子音は -m・-n・-ng・-k・-t・-p の6種類だけ
  • -m・-n・-ng は日本語では全部「ン」。唇・舌先・舌の奥、どこで止めるかで区別する
  • -k・-t・-p は「言いかけてやめる」。口の形だけ作って息を出さない
  • カタカナでは書き分けられないので、単語帳で音声を聞いて覚えるのが確実
  • 単語をタイ文字で読めるようになりたい方は、タイ文字の読み方の仕組みもあわせてどうぞ